神戸酒心館

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神戸酒心館

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酒造会社・神戸酒心館(神戸市東灘区)の純米吟醸酒が、全国的な鑑評会で最優秀賞を受賞した。高齢化などによる杜氏(とうじ)の減少に伴い、同社では3年前から成分分析などで得られたデータに基づく製造法に取り組んできた。“勘と経験”以外で生み出した味が評価を得たことで、新しい手法として他の蔵元からも注目を集めている。
 出品したのは、海外のワインや日本酒の専門家らが審査員を務める「インターナショナル・サケ・チャレンジ」。日本全国の蔵元から集まった120点の中から、純米吟醸酒部門で最優秀にあたる「トロフィー」を受賞した。フルーティーで切れのある味が評価を得たという。
 製造法の開発は、年々深刻化している丹波杜氏らの後継者不足と高齢化を危惧(きぐ)した安福嘉孝・副社長(36)が、伝統の味の継承と品質の安定を目指して始めた。30代の社員を中心に7人でチームを結成。県立工業技術センター(神戸市須磨区)や酒類の研究家らに協力を頼み、酸味や甘味など成分を分析して、製造方法を研究した。
 今回の受賞を受けて、他の中小の蔵元からの問い合わせなどもあるという。安福副社長は「社員の努力が実ってうれしい。伝統を継承するために今後も研究を続けたい」と話している。
神戸新聞 2009年9月14日号