神戸酒心館

新着情報

CSRレポート2024年

神戸酒心館SDGsへの取り組み

 

株式会社神戸酒心館 CSR REPORT

Sustainability Journey 2024

株式会社神戸酒心館の「CSR Report 2024 年版」をお届けいたします。
当社は、「環境負荷をかけずに、おいしい日本酒をつくる」ことをパーパス(企業としての存在意義)とし、2030年に向けたグリーン・イニシアティブ「Sustainability Journey(サステナビリティへの旅)」を策定しました。
SDGsに明示されているとおり、地球社会は多くの課題を抱えています。そうした課題の中から、私たちが優先的に取り組むべき重要な分野を「脱炭素社会」「循環経済社会」「自然共生社会」の3分野に定め、様々な取り組みを行っています。気候変動においては、2050 年までにバリューチェーン全体の二酸化炭素(CO2)排出量ネットゼロを掲げ、同じく2030 年までに使用 電力の再生可能エネルギー 100%化を目指しており、当社が脱炭素社会構築へ向けてリードしていくよう取り組んでまいります。
世界的な問題となっている環境汚染や地球温暖化。特に地球温暖化の問題は深刻で、日本酒の原材料となる釜井の調達が危部まれています。私たちにとって、高品質な坂間を大量に、安定的に、長期的に調達できるかどうかは、事業継続の生命線となります。当社においても、気候変動が事業に与える影響を踏まえ、酒造りにおける気候変動対策への検討を重ねてきました。

有機JAS認証取得(2024年6月)

株式会社神戸酒心館は、自然共生社会の実現を目指す取り組みの一環として、日本酒の製造においてJAS有機認証を取得したことを発表いたします。この認証は、当社が推進するグリーンイニシアティブ「サステナビリティへの旅」の重要なマイルストーンとなります。

神戸酒心館は、創業以来、「宮水」や「山田錦」といった自然の恵みを最大限に活かし、伝統的な酒造りを続けてきました。しかし、近年の地球温暖化により、酒米の品質や収量の低下が進む中、持続可能な酒造りへのシフトを図ってまいりました。その一環として、オーガニック日本酒の製造を実現するための新たな基準を設定し、一般社団法人オーガニック認証センターからJAS有機認証を取得いたしました。

この認証を取得するにあたり、神戸酒心館は、専用の有機米ラインを設置するのではなく、既存の設備を工夫して使用し、仕込み順序や管理を徹底することで、有機日本酒の生産において高い品質を維持しています。
洗米や麹づくりの段階でのコンタミネーション防止にも細心の注意を払い、厳しい基準を満たす体制を整えました。これにより、健康志向や環境意識の高い消費者に対して、信頼できるオーガニック日本酒を提供できるようになりました。

厳格な基準をクリアし、オーガニック日本酒の製造においてJAS有機認証を取得しました。これにより、環境への負荷を軽減し、持続可能な農業を推進できます。

 

脱炭素社会に向けた活動

サステナブル★セレクションに出展と二つ星認定取得(2024年6月と10月)

「サステナブル★セレクション(サスセレ)」とは、株式会社オルタナと一般社団法人サステナ経営協会の共催で、サステナブル(持続可能)な理念と手法で開発された製品/サービスを選定し、推奨する仕組みです。
「福寿 純米酒 エコゼロ」が「サステナブル★セレクション 二つ星」に選定されました。

再エネ切り替えとラベルを廃したエコロジーボトルを採用し、醸造工程における「カーボンゼロ」を実現した日本酒。醸造工程の排出削減は気候変動対策に寄与するとともに、持続可能な酒造りのモデルを提示した。消費者には環境負荷を考慮した選択肢を提供する。地元農家と協力して神戸山田錦推進研究会を設立し、酒米・山田錦の品質向上に取り組む。複数の企業と連携し、循環型農業を推進し農家の所得向上なども目指している。こうした取り組みはCSRレポート「サステナビリティ・ジャーニー」で紹介する。加えて、人や社会、環境に配慮した消費行動を地元のNPO法人と連携して推進している。これまでの取り組みの中で、地球環境まで視野に入れていることを画期的であること、エネルギーを変えるだけでなく、農家の方との対話をすすめたり、消費者への訴えていること、スタイリッシュでデザインの良い瓶がかっこいい環境を守る取り組みであることなどの点が高く評価されました。

2024年6月開催の「第1回サステナブル★セレクションEXPO 2024 in京都」及び2024年10月開催の「第2回サステナブル セレクションEXPO 2024 in東京」に出展しました。

 

「KOBE脱炭素フェア2024」に出展(2024年2月)

神戸酒心館は、地域における脱炭素の取り組みを推進する一環として、神戸商工会議所が主催する「KOBE 脱炭素フェア 2024」に参加しました。本フェアでは、地元企業向けの最新支援施策の紹介や脱炭素経営に関する講演、関連ソリューションやカーボンニュートラル製品の展示・相談会が行われ、神戸酒心館も世界初のカーボンニュートラル日本酒「福寿 純米酒 エコゼロ」を紹介するブースを出展しました。本取り組みは、地域企業が脱炭素や環境ビジネスへの取り組みを進めるきっかけとなることを目的としています。

 

脱炭素型ライフスタイル及びエシカル消費を促進するための実証実験事業(2024年2月)

環境配慮型の商品販売について、「どのようにすれば購買を高めることができるか」の課題を関西学院大学の学生の主導で実証実験を行いました。
実際の店舗で販売実験を行い、学生が環境訴求メッセージを考案しました。

 

循環経済社会に向けた取り組み

酒粕プロジェクト (2024年1月)

2015年からはじまり、本年で10年目を迎えました。
福寿の酒粕を使って新しい酒粕料理を提案する酒粕プロジェクト。2024年は蔵の料亭「さかばやし」に加えて、三田、有馬、芦屋、大阪、和歌山など関西各地から新たな酒粕料理を提案いたしました。
蔵の料亭さかばやしで大阪樟蔭女子大学の女子学生が考案した「酒粕稲荷と南京天ぷら」に加えて、明石浦漁業協同組合の名品「浦サワラ」を純米吟醸の酒粕で漬け込んだ一品「浦サワラの吟醸粕漬」を期間限定で提供しました。

 

関西学院大学×神戸酒心館コラボ(2024年1月)

関西学院大学商学部の4年生が、大学に隣接する「レストランポプラ」とゼロから作り上げたスイーツ、”濃厚ショコラとドライフルーツのテリーヌ”限定で販売開始しました。フェアトレードカカオの濃厚なショコラと酸味の効いたアプリコット・オレンジ・いちじくといったドライフルーツに福寿の酒粕は織り込まれた、食品ロスにも貢献できる一品です。

 

NAGAZON×神戸酒心館コラボ (2024年9月)

長田商業高校の生徒が運営する株式会社NAGAZONと神戸酒心館は、産学連携による取り組みとして「神戸DEアップサイクル日本酒キャップマグネット」を開始しました。
神戸酒心館で試飲提供に使用した後の王冠キャップを、NAGAZONの高校生が手作業でアップサイクルし、日本酒キャップマグネットとして生まれ変わらせています。
神戸観光のお土産として販売されているほか、収益の一部は海の環境保全活動に寄付されています。

 

「福寿 純米吟醸 山田錦 環和-KANNA」(継続)

2024年6月3日、神戸酒心館は「環和‑KANNA‑」プロジェクトの活動報告会を開催しました。本報告会では、循環型肥料「こうべハーベスト」の使用拡大や、ドローンを活用したリモートセンシングによる酒米栽培の効率化、生産面積の拡大(約74ヘクタールから約270ヘクタールへ)など、プロジェクトの進展が紹介されました。また、酒質と付加価値の向上を目指し、より高品質な「純米大吟醸 環和‑KANNA‑」への展開も報告されました。持続可能な農業と環境保護を実践しつつ、日本酒の品質と独自性を高めることで、消費者に新たな価値を提供する取り組みです。

 

地エネの酒
福寿 純⽶吟醸 ⼭⽥錦 環(めぐる)(継続)

「環(めぐる)」は、持続可能なローカルSDGsのものづくりとして、神戸新聞社と牛削牧場とともに、「飲むことで、地域の資源をめぐらせる」をコンセプトに展開されています。神戸市北区にある牛削牧場のミニバイオガスプラントから生まれる副産物、有機消化液を「山田錦」の栽培に活用することで、資源循環と自然エネルギー普及モデルの確立を目指す環境配慮型の日本酒です。これまでに参加する蔵元は順次増え、2024年には合計7蔵となり、地域の資源循環と環境配慮型酒造りの取り組みをさらに広げています。

 

自然共生社会に向けた取り組み

大沢リバプロジェクト(棚田復活プロジェクト)

当社では、神戸市北区の大沢地区の農家と村米制度による特別契約を結び、丹念に栽培された山田錦などの飯米を用いて酒造りを行っています。SDGsの取り組みとして、大沢地区の地域活性化策である「大沢リバプロジェクト」を実施しています。(リバ=リバタライゼーション=活性化)

大沢地区では、高齢化により耕作放棄された棚田が竹林となっているのが現状です。この竹林を伐採し棚田を復活させ、飯米を栽培し、その米で日本酒を醸造するのが「棚田復活プロジェクト」です。2022年より、「国際NPO法人ピース&ネイチャー」および「神戸芸術工科大学」との産学連携により、大沢の地域活性化と棚田復活に向けた取り組みを開始しました。

昨年に引き続き、今年も復活させた棚田で飯米を収穫しました。また、11月16日~17日には、北ギャラリーにて学生による展示も開催されました。

 

社会貢献活動

親子で学ぶSDGs 夏休みワークショップ(2024年8月)

2024年8月3日に神戸酒心館ホールで「親子で学ぶSDGs 夏休み自由研究お助けワークショップ2024」が開催され、たくさんの親子様に企業団体のSDGsの取り組み学んでいただきました。

兵庫日産自動車様のユーチューブより、イベントの様子がご覧いただけます。

【兵庫日産SDGsプロジェクト】親子で学ぶSDGs 夏休み自由研究 お助けワークショップ2024 神戸酒心館

 

全国学生マーケティング大会(MCJ)(2024年12月)

2024年12月14日(土)第13回全国マーケティング・コンテスト(MCJ)の決勝大会が神戸酒心館ホールで行われました。全国の大学生が企業のマーケティングプランを考案し、英語によるプレゼンテーションを行う「Marketing Competition Japan(全国マーケティングコンテスト)」。

第13回は神戸酒心館がスポンサーとなり、「酒蔵ツーリズムの振興を通した地域経済活性化」をテーマに大学生がプランを考案します。この取り組みを通じ、神戸酒心館は地域文化としての酒蔵の魅力発信、若年層や外国人を含む広範な来場者の呼び込み、地域観光振興への貢献を目指しています。法政大学のTeam Ochocoが第1位を獲得し、酒蔵ツーリズムを通じた来場者増加の提案が評価されました。

 

芸術文化イベント

酒蔵文化道場137~140回

酒蔵文化道場は、著名な文化人や専門家の方々を酒蔵にお招きし、日本文化を中心としたさまざまなお話をお聞きする講座です。いわば“大人の寺子屋”として、江戸時代の大きな梁をはじめ、木のぬくもりを感じる温かな雰囲気の会場で、日本文化について学んでいただくことができます。

講座の後には、日本酒「福寿」のきき酒をお楽しみいただき、さらに希望者向けに、講師の方とともに季節の料理や蔵出しの酒を味わう懇親会(要予約)も開催しています。

酒蔵文化道場は2000年に開始して以来、140回以上、多彩なテーマで開催してきた歴史ある文化講座で、一般の方にもご参加いただけます。

2024年は、第137回から第140回までの4回を開催しました。

  • 第137回:運動と健康づくり ―三日坊主からの卒業を目指して―

  • 第138回:手漉和紙「名塩紙」〜誕生とあゆみ〜

  • 第139回:数の子と子持ちコンブから考える魚食文化

  • 第140回:ねむりのはなし

 

雛人形展(2024年2月)

2024年2月23日から3月3日まで、神戸酒心館ホールにて「雛人形展 2024」を開催しました。入場は無料で、地域の皆さまや来訪者に広く門戸を開いた春の文化イベントです。

本展では、2009年にご好意で寄贈を受けた、炭鉱業で名を成した旧「貝島家」が所蔵していた歴史ある雛人形を展示しました。人形は十五人揃いの華やかな雛飾りであり、屏風などの室礼道具、前飾り、化粧道具、御籠、御所車に至るまで、家紋散らしの特注品を含む貴重なもので、今では文化財的価値の高い伝統技術による制作品です。

このような伝統文化の継承と公開を通じて、神戸酒心館は地域の文化的資産に対する理解と関心を広げ、来訪者に日本の伝統と歴史の深さを感じていただく機会を提供しました。今後も、地域文化の保存と発信をCSRの大切な柱のひとつとして位置づけ、継続的に取り組んでまいります。

 

日本手仕事展(2024年10月)

2024年10月3日(木)から10月7日(月)まで、神戸酒心館にて恒例の「日本手仕事展」を開催しました。本展は、工芸作家の作品を展示・即売する文化イベントで、今回で17回目の開催となります。

2024年は、16名の作家が集い、「持続可能なものづくり」をテーマに、日常生活で楽しめる日本の工芸作品を紹介しました。神戸酒心館では、こうした文化イベントを通じて、地域の芸術文化の発信や観光事業への貢献を目指しています。

 

セミナー

酒造りやサステナビリティ関連の講演(2024年)

神戸酒心館の代表取締役社長である安福武之助や醸造部部長の宮本哲也が全国的に酒造りやサステナビリティについて講演しました。

下記は一部の参加したイベントのリストです。

2月 【公益財団法人 こうべ市民福祉振興協会】KOBEしあわせの村ユニバーサルカレッジ「日本酒講座」(安福武之助) 
5月 【一般社団法人 奈良経済産業協会】第34回 改善事例発表会 特別講演「日本酒造り わざの伝承と革新」(宮本哲也)
6月 【ジャパンブルーエコノミー技術研究組合】BERGブルーカーボン勉強会(安福武之助)
7月 高校生国際会議&総合的な探究の時間全体発表会 (安福武之助)
8月 【公益財団法人 関西生産性本部】関西生産性本部中堅研修会(安福武之助)
8月 【神戸市教育委員会】神戸市教育委員会新卒研修(久保田博信、宮本哲也)
9月 【公益財団法人 神戸市産業振興財団】デザインUPプロジェクトセミナー 第2回クリエイティブセミナー「品質を超えるブランド体験 神戸酒心館のマーケティング戦略」(安福武之助)
10月 【神戸市公立大学法人 神戸市外国語大学】神戸市外国語大学セミナー(安福武之助)
 

 

認定

「サステナブル★セレクション 」二つ星(2024年9月)

2024年9月に「福寿 純米酒 エコゼロ」が「サステナブル★セレクション 」で二つ星に選定されました。
「第2回サステナブル セレクションEXPO 2024 in東京」で2024年10月3日に「サステナブル★セレクション 」で二つ星の授与式がありました。

私たちのこれまでの取り組みの中で
・地球環境まで視野に入れていることを画期的であること、
・エネルギーを変えるだけでなく、農家の方との対話をすすめたり、消費者への訴えていること
・スタイリッシュでデザインの良い瓶がかっこいい環境を守る取り組みであること
などの点が高く評価されました。

     

 

有機JAS認証の取得(2024年7月)

オーガニック日本酒の製造を実現するための新たな基準を設定し、一般社団法人オーガニック認証センターからJAS有機認証を取得いたしました。

 

健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)(2024年3月)

経済産業省が創設した「健康経営優良法人認定制度」。
これは、優良な健康経営を実践している企業を認定する制度です。

神戸酒心館では従業員への健康経営を実践しており、2024年3月11日に「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」に認定されました。
2023年に続いての認定です。私たちの事業には従業員の健康は欠かせません。
これからも健康経営を実践してまいります。

寄付

「緑の募金」

お酒の原料は米と水です。
六甲山の恵みの結晶である酒米の「山田錦」、そして天与の名水「宮水」を福寿の酒造りには欠かせない最良の原料です。
六甲山の環境保全は私たちの酒造りには欠かせない取り組みです。

神戸酒心館では、六甲山の豊かな自然を守るため「福寿 純米酒 御影郷」の売上の⼀部を兵庫県緑化推進協会の「緑の募金」へ毎年寄附しています。

 

「京都大学iPS細胞研究財団」

神戸酒心館ではノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥氏が理事長を務められる京都大学iPS細胞研究財団に2013年より毎年を寄付を行っております。
本年も感謝状をいただきました。
ケガや病に苦しむ患者さんに新しい医療を届けていただく一助となれば大変ありがたく思います。