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4月のうまいもん/シラス

さかばやし今月のうまいもん

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兵庫に春の到来を告げるシラス漁

 兵庫県では春になると、シラスが食卓を飾ります。シラスの産地は、静岡・兵庫・神奈川・茨城・大分などです。年間を通じて流通はしていますが、春から11月末ぐらいまでの漁とし、殊に名産地の代表・淡路島では12月~3月までを禁漁としています。そのため、4月になるとシラス漁が行われ、市場を賑わすことが多く、春を待つ魚と思われています。ちなみに淡路島ではシラスの旬を4月~5月の春季と9月中旬~11月を秋季としており、この期間に獲れたシラスは良質と言われています。
 そもそもシラスとは、「白子」と書き、イカナゴ・鰻・片口鰯・真鰯・ウルメ鰯・鮎・鰊などの身体に色素がない白い稚魚をそう呼んでいます。私達が食しているシラスは、一般的にほとんどが片口鰯の仔魚を指しています。湯浅(和歌山)などで獲れるシロウオやシラウオと混同していることも多く、実は前者はスズキ目ハゼ科で、後者はサケ目シラウオ科の魚で、片口鰯(ニシン目カタクチイワシ科)とは根本的に種類が異なります。シラスは生でも食せますが、仔魚で非常に弱いために、生で食べるのは漁師町が大半です。ほとんどはシラス干しという加工した状態で市場に出回ることが多くなっています。塩茹でして加工するのですが、その水分含有量の差で呼び名が変わって来るのをご存知でしょうか。茹で上げて水切りし、85%前後の水分含有量のものが〝釜揚げ〞といわれ、半乾燥となるのが〝シラス干し〞。シラス干しでも水分率50~80%の柔らかめを関東干しと称し、水分率30~50%弱の硬めを関西干しといい、これを我々は〝ちりめん〞と呼んでいます。関西では柔らかめを〝太白(たいはく)〞と呼んだりするようですが、私達がよく言う〝ちりめんじゃこ〞とは上干(じょうほし)ちりめんのことで、関東ではそれを〝かちり〞といいます。また塩茹でせずに水洗いし、海苔のように加工したものに〝畳鰯(たたみイワシ)〞があります。
 シラスは仔魚故に弱いと書きました。そのため、水揚げされると、漁港近くの加工場へ新鮮なままで運ばれ、まずは水洗いし、釜茹でをします。そして茹で上がったものを常温まで持って行くのに急速で冷まし、天日干しを行うのが一般的な加工法です。この干す時間によって太白や上干と呼び名が分かれます。
 前述した産地ですが、実は場所によって旬も異なって来ます。神奈川県では、相模湾で獲れる〝湘南シラス〞が有名で、4~5月が旬。茨城県は4~6月と8~10月で、別府湾や佐伯湾で獲れる大分県のシラスは9~10月の秋がいいとされています。静岡県は3~10月と長く、特に6~9月が美味しいとされ、愛知県も4~11月と長い期間いいのですが、6~8月の夏が美味しいと伝えられます。それに対して兵庫県は春(4~5月)と秋(9~11月)が旬。シラス漁は全国一位の水揚げ量を誇っており、中でも岩屋漁港(淡路市)の漁が有名です。近年、神戸市もシラスを名産品としています。その中心は垂水漁港ですが、同地ではイカナゴ漁が知られているためにシラスまでその知名度はないのかもしれません。ただ、神戸市漁業協同組合によると、最盛期は船曳網漁で一日1000カゴ水揚げされているため、漁としては本格的です。
 ところで、「さかばやし」では、春の名産ともいわれるシラスを神戸や淡路から仕入れ、4月のうまいもんとして会席料理の一部や一品料理でお楽しみいただきます。ぜひこの機会にシラスをご賞味ください。

(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)
2022年4月
 
料理長おすすめ「シラス」の一品
内容はしばらくお待ちください。

※おすすめの一品は予約にて承ります。価格は税込価格です。
※写真はイメージです

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