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2月,3月のうまいもん/酒粕料理

さかばやし今月のうまいもん

さかばやし_今月のうまいもん_酒粕

女子大生が、なんと江戸時代のつまみを発掘

 今年も酒粕プロジェクトが始まりました。同プロジェクトは、酒粕文化の火を消さず、後世に継承すべく、8年前から冬になると行われているもの。「神戸酒心館」が旗振り役を務め、関西の評判の高い料理人たちが各自の店で「福寿」の酒粕を使って新作料理を発表。その技と、使い方の妙を競います。酒粕といえば、和の素材ですが、今やその粋を飛び越え、和洋中にスイーツ、バーと様々なジャンルの人達が参加し、各方面で酒粕を使うことは関西の冬の風物詩になりつつあります。今年は各ジャンルに合計23もの店舗や企業・団体が参加しており、ジャンルも多彩なためにユニークな酒粕料理が関西で楽しめます。
 当然、「さかばやし」も参加しており、加賀爪正也料理長は、定番の粕汁や酒屋鍋を始め、様々な素材に「福寿」の酒粕を用いて、プロジェクト期間の2月1日〜3月末まで酒粕料理を披露します。特に今年は、神戸色を際立たせようと須磨海苔を粕汁に入れて地産地消をうまく表現しています。須磨海苔は、その名の如く須磨で採れたもの。他の海苔と比べると、タンパク質・アミノ酸・カルシウムなどの栄養素が豊富で、色が黒く、肉厚であるといわれています。神戸市漁業協同組合が地域ブランドとして商標登録しており、「さかばやし」では、この素材を上手に粕汁に用いているのです。
 酒粕プロジェクトというと、いつも話題となるのが、女子大生が創作した酒粕の新メニュー。大阪樟蔭女子大学の学生が「フードメディア演習」なる授業の中で、酒粕文化を学び、酒粕プロジェクトへの出品を目指して新メニューを考案します。プレゼン大会を経て優勝者が「さかばやし」での提供権利を勝ち獲るのです。今回も彼女たちは、秋より試行錯誤を重ね、試作をしながら12月下旬のプレゼン大会に臨みました。女子大生らしい、新たな視点で商品化(メニュー化)されたのが、なんと江戸時代の酒のつまみの復刻版でした。2月より3月末日まで「さかばやし」で提供する新メニュー「竹虎・雪虎・紅虎」(平日限定、要予約)がそれにあたります。考案者は同大学でフードスタディを学ぶ椿本理穂さん、畑田奈々さん、多田芽生さん、駒井佳奈さん、濱谷三咲さんの三年生グループ。「竹虎」と「雪虎」は、その昔、江戸っ子に愛された酒のつまみで、厚揚げに焼き格子で焦げめをつけて「虎」の模様に見立てたもの。その上に青葱を振り掛けものが「竹虎」で、大根おろしを載せたものが「雪虎」と呼ばれ、実際に江戸の町の店で出されていたそうです。当時、灘の酒を下り酒と称し、上質なものとして愛飲されており、灘から酒が届いた日には、江戸市民が「竹虎・雪虎」をつまみにいっぱい飲んだとの話が残っています。彼女たちは、それにヒントを得て令和版の「竹虎・雪虎」を考案。厚揚げを焼く際に酒粕を加えたソースを塗って作るレシピを考案しました。本来なら「竹虎・雪虎」の二つだけのはずが、そこに梅を用いたオリジナル「紅虎」をプラスして三酒のおつまみにしたのです。中でも新「雪虎」は、大根おろしではなく、酒粕おろしにし、そこに山椒を足して風味づけを行っており、まさに酒粕プロジェクトにふさわしい一品となっています。ちなみに新「竹虎」は、葱味噌と細葱で、“竹”を表現し、「紅虎」は、梅肉和えを載せています。単に「厚揚げの〇〇」とせずに、「竹虎」「雪虎」と、その見た感じを虎になぞらえたのが、江戸時代の粋なネーミング手法。それを発掘して、酒粕料理に仕立てた彼女たちの学びは、「あっぱれ」な仕事といえるでしょう。
 「さかばやし」では、「この「竹虎・雪虎・紅虎」を始め、今月のうまいもんを酒粕としてユニークな品々をご用意していますので、ぜひこの機会に味わってみてください。
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(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)
2022年2月

料理長おすすめ「酒粕料理」の一品
粕汁小鍋(須磨海苔)01a
■粕汁小鍋 1,300円
■粕汁小鍋 須磨海苔入り 1,300円
■酒粕チーズ 1,100円
■帆立貝の酒粕和え 800円
「酒粕プロジェクト」の「酒粕料理」
■竹虎・雪虎・紅虎 880円
※酒粕プロジェクト料理は平日限定2日前の要予約
※写真はイメージです

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