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10月のうまいもん/婦木農場の秋野菜

さかばやし今月のうまいもん

さかばやし_今月のうまいもん_婦木農場

野菜自体に力があって味が深い
 
 「料理の良し悪しは、食材で決まる」という話をよく耳にします。「名料理ほど材料が良ければ、料理人は何をしなくてもいい」と表現をするのです。それほど食材は大事なのでしょう。農業大国と呼ばれる北海道や九州には、良い食材があるでしょうが、大国だけにその逆もまたしかり。いつの時代も大国主義はいけません。良い農作物は土壌や気候の影響が大きいと言われますが、食の取材を重ねていくと、最終的には人の力だということがよくわかります。きちんとした理論を持って熱心に育てる農家には、やはり名食材が存在します。
 丹波(春日町)で農業を営む婦木農場は、名うての存在。同ファームを運営する婦木克則さんは、全国的にも有名な農業人です。今でこそ無農薬栽培や有機栽培は知られていますが、それらがまだ普及していなかった30年以上前から取り組んでおり、昔からその分野をリードしてきた人物です。婦木さんが有機栽培にふれたのは大学時代のこと。当時は農薬を使った大規模農法が主流で、昔のような無農薬栽培は敬遠され気味でした。「多摩ニュータウンのスーパーで買って来たきゅうりが美味しくなくて、どうして昔食べたような味がしないのかと思ったんです」と学生時代を振り返って婦木さんは話してくれました。この時の疑問が婦木さんの農業人生を大きく転換させます。婦木さんは、当時あまり見向きもされなかった無農薬栽培を勉強し、卒業後、地元(丹波)に帰って徐々にその方向へ転換させて行きました。「玉ネギやじゃがいもなど土ものは、わりとわかりやすいのですが、葉物が難しく、品種ごとに徐々に自然栽培へと移行させて行ったのです。結局、すべて移すのに10年を要しました」と婦木克則さんは言います。婦木克則さんの取り組みにやがて時代が振り向き、婦木農場の自然栽培は脚光を浴びるようになりました。
 「さかばやし」もこの婦木農場の野菜の良さに目をつけ、仕入れを始めた飲食店のひとつ。同店の加賀爪料理長も「婦木さんの野菜は、味に深みがあり、作物自体に力があります」と絶賛するほど。以前、「旬の会」を開催した時に、造りに婦木農場の人参が出てきました。白身魚の造りの横に生の人参が添えられていたのですが、まさに食材の力というべきが、完全に瀬戸内の産物(白身魚)を圧倒してしまったのです。私は、造りと名がつくが、生の人参だけで十分と思って味わったくらいでした。以来、私も「さかばやし」が婦木さんの野菜をテーマ食材にする月(今月のうまいもん)を首を長くして待ち望んでいるファンの一人なのです。
 婦木農場では、1.5haの土地に年間約100種以上の野菜が育ちます。少量多種を謳っており、都市近郊農家の典型といってもいいでしょう。秋には、紙マルチなる手法を用いた米が主産物として出来、その他、大納言小豆や里芋、蕪、ゴボウ、小松菜などの軟弱野菜が育ち、出荷されるのです。今回、「さかばやし」では10月のうまいもんとして婦木農場から新鮮な秋野菜を仕入れ、会席料理の一部や一品料理に使用し、収穫の秋、食欲の秋を彩る予定にしています。産物に力があると表現される婦木農場の野菜をぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。

(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)
 
料理長おすすめ「婦木農場の秋野菜」の一品
■蕪の味噌掛け 900円
■里芋の唐揚げ 1,000円
■鱧と秋野菜の天ぷら 2,950円

※おすすめの一品はご予約にて承ります。価格は税込価格です。
※写真はイメージです

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