神戸酒心館

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日経MJに掲載されました

東明蔵

〜目指せ観光立国〜
神戸では欧米で人気が広がる日本酒を観光客誘致の目玉にしようと、地元の酒蔵が連日、試飲イベントを開催している。海外の旅行会社に売り込みをかけ、観光コースに組み込んでもらう攻めの取り組みも活発だ。日本酒だけでなく、オバマ米大統領が来日前に注文した神戸牛にも注目が集まる。世界に通じるグルメを生かした観光客誘致を進める。
「このお酒はオマールエビのうまみを引き出すのでフランス料理にも合いますよ」。12月上旬、神戸酒心館でフランス人団体客に話しかける湊本雅和副支配人の姿があった。この日は5種類の日本酒を試飲してもらった。シエラス・クリストフさんは「甘い香りのお酒が気に入った」と話す。
湊本さんの前職はワインのソムリエ。日本で仕事をするからには日本酒の知識が必要だと2001年に神戸酒心館に入社した。ソムリエ修行時代に学んだフランス語を操り、ワインとの比較を織り交ぜることで外国人客の心をつかんでいく。
神戸酒心館は醸造所のほか、料亭や酒の直売所など多数の施設を備える。試飲会や酒蔵見学にはほぼ毎日、外国人客が訪れる。港町という土地柄、世界を周遊する豪華客船の停泊時に訪れる観光客も多いという。久保田博信常務は「08年のリーマン・ショック以降に減少した海外の観光客が戻りつつある」と手応えを感じている。
同社は来日観光客をもてなすだけでなく、積極的な発信もする。社員が米国に出かけ、現地の旅行会社に売り込むほか、日本酒も輸出する。輸出先は米国のほかオランダやスウェーデンなど幅広い。ノーベル賞授賞式の晩餐会にも同社の吟醸酒が出されたという。
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(日経MJ 2010年1月4日号)