神戸酒心館

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作家メッセージ_野村恭子_日本の手仕事展2022

日本の手仕事展神戸酒心館

2022年10月6日(木)から10月11日(火)まで開催される「日本の手仕事展2022」。

出展する作家の皆さんは14名です。
作家から皆さんへ、メッセージを週替わりでお届けします。

野村

私にとっての一年は、どんぐり拾いから始まる。
秋の一日、かご一杯に、落ちてくるどんぐりを拾い集める。それらを煮出し、それぞれの糸を繰り返し染めて日々を過ごす。白かった糸は色付き、媒染剤によってグレーや茶の無限の表情を醸し出してくれる。染め場の軒先には、さまざまなどんぐり色の糸が風になびく。
それ等は、他のどんな色と組み合わせて織っても、脇にまわり、引き立て役を担ってくれる。材質に加えて、色のハーモニーが無限にある限り、私は飽くことを知らずに、長年織りを楽しみ続けている。
勿論、時折、右往左往、四苦八苦は免れないが、それも楽しみの一つでもある。いつかは土に還り、できることなら、ここちよい風になるための作業の一環として、織り続けていきたいと願っている。

染織作家
野村恭子
Yasuko Nomura