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11月のうまいもん/丹波・婦木農場の秋野菜

今月のうまいもん

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丹波・婦木農場の秋野菜

雨にも負けず、夏の暑さにも負けぬ・・・そんな野菜を食べたい!

 秋は実りの季節、風が徐々に冷たさを増すにつれ、野菜が美味しくなって来ます。今夏は記録づくめの猛暑で、ついに酷暑なる言葉まで登場しました。この暑さ続きで野菜や米はどうなのだろうと心配していたら、続いて初秋は長雨にみまわれ、それもシトシトと続くのではなく、ドッと降り出すゲリラ豪雨で、本当に農家の人達は大変だろうと思ってしまいます。巷の噂では、こんな天候不順にも関わらず、黒豆の枝豆はかなり出来が良さそうだとか。ならば、丹波市春日町の「婦木農場」からもいい黒豆が届きそうとの便りを心待ちにしていました。
 例年「さかばやし」の秋のうまいもんというと、婦木農場の野菜の数々が挙げられます。今年の黒大豆枝豆の解禁日(販売開始日)は10月10日で、旬は10月中だとか。それでも11月初めまで何とか実っていますようにと食いしん坊の私は、11月10日の旬の会で出て来る事を願うばかりです。
 丹波市春日町にある婦木農場は、約1.5haの農地に年間120種以上の作物が収穫されます。少量多品種生産の農家で、都市近郊農業の良さを発揮しているようです。自ら「百姓大王」を掲げる婦木克則さんは、「今、農村はおもしろい」とのキャッチフレーズで、農薬を使用しない栽培に積極的に取り組んでいます。「自然の力を活かし、手間暇かけて野菜づくりを行っています」の言葉にその農業姿勢が表れているのです。婦木克則さんによると、野菜づくりは家族総出で行う作業。牛舎から出る牛糞を利用した堆肥を用いて土づくりを行うのだとか。雑草が勢いよく伸びる季節もせっせと手作業で草引きに励み、野菜が育つに合わせて土寄せしたり、間をコンコン耕したりと、本当に骨の折れる作業だと感心してしまいます。婦木克則さんは「牛の乳を搾り、鶏が卵を産んで、米や野菜を栽培する昔ながらの農家です」と謙遜しますが、その古き良き時代の農家がなくなっているのですから、まさに価値のあるものだと思ってしまいました。
 秋のお米は勿論の事、丹波の有名な大納言小豆に、大豆、黒豆の枝豆、薩摩芋、里芋、かぶ、ブロッコリーが主な秋の産物で、晩秋に向かう頃には、そろそろ冬野菜の白菜や人参、ゴボウなんて声も聞こえて来ようです。紙マルチを使った田植えによるお米は、何といっても秋の収穫の目玉。「田んぼに専用の紙を敷いて苗を植える事で、苗が小さい間に雑草が伸びるのを防ぐ効果があるのだ」と婦木克則さんが教えてくれました。このように手間暇かけて育てて、収穫されたお米で炊く白ご飯は、どんなごちそうにも代え難い存在のように思えてなりません。加えて丹波栗も秋の名物の一つ。篠山も含め、この地域で採れる和栗は立派で、柔らかく甘みが優れており、その大きさだけでなく、味わいも日本一だと言われているくらいです。
 近年、婦木農場のもう一つの名物となっているのが長男・婦木敬介さんの手によるチーズづくり。「第13回ALL JAPANナチュラルチーズコンテスト」にて最優秀賞を獲得してから一気に脚光を浴びました。婦木敬介さんによれば「全国的に見ても乳牛の飼育からチーズ製造まで一つの農家でやっている例は珍しい」そう。実は「さかばやし」の大谷直也料理長は無類のチーズ好きで、「婦木農場のチーズは本当に美味しい」との太鼓判を押します。「それを会席料理や一品料理に使うのは楽しみ」とも話していました。秋風と共に婦木農場から野菜が届けられ、チーズも一緒にやってきます。そんな秋の実りを味わうのがグルメにとっては最上の喜びかもしれません。
 「さかばやし」では、婦木農場の秋野菜を11月のうまいもんのテーマ食材に選定し、会席料理の一部や一品料理でお楽しみいただけます。ぜひこの機会に丹波の秋の実りを「さかばやし」でご堪能ください。

(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)
2026年11月

料理長おすすめ「丹波婦木農場の秋野菜」の一品料理
■丹波婦木農場の野菜白和え                 900円
■鰤幽庵漬け 丹波婦木農場ラクレットチーズ焼       1,600円
■三田ポーク角煮と丹波婦木農場野菜 熟成ゴーダチーズ   1,800円
■穴子と丹波婦木農場野菜の天ぷら             2,800円
※おすすめの一品は前日15時までのご予約にて承ります。
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