Z世代向け日本酒でアプローチ(2024.8.21)

Z世代向け日本酒でアプローチ
日本酒は、日本の伝統と文化を象徴する国酒です。節目の行事やおもてなしの場には欠かせない存在です。しかしながら、その需要は伸び悩んでいます。消費量のピークは昭和48年でしたが、当時の約3分の1に減少しています。
その背景にはビールやワイン、カクテルなどアルコール飲料の多様化による消費者の嗜好の変化があります。さらに、新型コロナウイルス禍での外食の減少も影響し、日本酒の飲酒人口は特に若者の間で顕著に減ってきています。日本酒業界は、美味しいお酒を造るだけでなく、こうした社会課題の解決にも取り組む必要があるのです。
そこで、福寿の蔵元である「神戸酒心館」では、若者へのアプローチとして大学との産学連携による取り組みを始めました。昨年は、関西学院大学商学部の石淵ゼミとの協力で、Z世代向け日本酒「Petit ju(プティジュ)」を新たに開発しました。
このプロジェクトでは、Z世代の学生が日本酒市場の状況を調査し、商品コンセプトの策定やラベルデザインの作成までを担当しました。お酒の味わいについても、学生自らが数種類のお酒を試飲評価し、独自にブレンドしてZ世代に受け入れられる味わいを追求しました。
その結果、生まれたプティジュは発売以来、Z世代だけでなく、30代以降の日本酒ライトユーザーにも予想以上に好評です。
かつては、働き盛りの50代前後の方々が若者を仕事終わりに飲みに誘い、その際に日本酒の飲み方を教える文化がありました。しかし、今は職場の後輩を食事に誘うことにも気を遣う時代です。Z世代向けの日本酒があれば、一緒に飲む機会を増やすことにつながるのでは、と期待しています。
(神戸酒心館広報部部長 幸徳伸也)

2024年8月21日(水)産経新聞「伊丹・灘五郷 酒蔵便り」
