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5月のうまいもん/淡路島サクラマス

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「山にも戻らず海だけで育ったサーモンピンクの逸品」

 
 関西のグルメシーンで、このところ"サクラマス"なる素材が目につくようになりました。その原因は、淡路島にあります。三年トラフグで一躍ブランド化に成功した淡路島・福良漁港の養殖業者がフグの終わった時期に出荷する魚を模索し、サクラマスの養殖に目をつけたのです。2015年ぐらいから養殖がスタートし、2017年3月1日に「淡路島サクラマス」の名でデビュー。地産地消を謳う地元料理屋やホテルとも連携をしながら三年トラフグに次ぐ名産品を狙ったことになります。
 そもそも鱒自体は、古くからなじみの深い魚。富山の有名な駅弁が代表的な調理例で、押し寿司にサクラマスを用いていました。サクラマス自体は、サケ目サケ科に属する魚なのですが、これと同じものがヤマメになります。海に下って回遊し、産卵時に川を遡上する降海型が主流のようですが、中には陸封型といって海に下らず一生を淡水で終える魚もいるのです。その陸封型を我々はヤマメと呼び、淡水で一年過ごし、海へと下る種をサクラマスと称しているのです。鱒の字の前に桜を付けるのは、日本らしさの象徴で、沿岸より川を上り、桜前線に付随して獲れ始めるからそんな名前が付いたのでしょう。ちなみにサクラマスの遡上は早いものでは2月から始まり、主に3~6月がその時期にあたります。北海道では4月頃からスタートし、7月くらいまで。まさに桜の開花を追うようにその土地土地でサクラマスが水揚げされていくのです。
 鱒は、降海型と陸封型に別れるといいましたが、「淡路島サクラマス」は、海で養殖されています。淡路島・福良は、リスクが高く三年養殖が難しいとされたトラフグを見事に成功させた実績があったので、自信をもってサクラマスの養殖に踏み切ったと思われます。もともとサクラマスは寒い地方に棲む魚。福良は淡路島の南で温暖なように思えますが、水温は低いので養殖には適しています。それでもエサの工夫や成長にあわせて生簀の場所を替えるなどして自然に近い状態にしたと報じられてもいました。一般的に魚の味わいとしては、皮は厚みがあって強く、骨は柔らかい。身はまさにサーモンピンクで、サケ科特有の風味を有しています。柔らかく甘みがある上に旨みもあって調理しやすい素材だといえます。
 この「淡路島サクラマス」の誕生に伴って淡路島ではそれを使ってメニュー化する店も多く、刺身はもとより、鍋素材にしたり、ときにはフレンチ風、イタリアン風にも調理して提供されています。料理した人によると「やっぱり刺身が旨い」と言いますが、焼物にも煮物にも使える食材であることは間違いありません。コリコリした食感もあり、脂の融点が低いために口内でとろけるような食感も楽しめます。特に5月頃のものは濃厚な味わいが期待できるようです。
 以前から、春のこの時期には「さかばやし」でも時折り会席料理などに用いていました。お客様からも評判が良かったので、今月のうまいもんにこの素材を選び、一品料理や会席料理の一部でお楽しみいただくことになりました。300gの稚魚がわずか半年足らずで1.5kgまで成長し、鮮烈なサーモンピンクを放つまでになる「淡路島サクラマス」をぜひこの機会にご賞味ください。

(フードジャーナリスト・曽我和弘)
さかばやし_今月のうまいもん_201905淡路島サクラマス
 
料理長おすすめ「淡路島サクラマス料理」の一品
■淡路島サクラマスの檸檬小鍋 1,700円
■淡路島サクラマスの道明寺蒸し 700円
■淡路島サクラマスの酢〆 1,100円
■淡路島サクラマスの木の芽焼き 1,300円
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