| Other Languages |

「第2回エコプロアワード」 財務大臣賞 受賞

神戸酒心館の「伝統と革新がもたらすサステナブルな酒造り」が
「第2回エコプロアワード」で財務大臣賞を受賞しました。

このたび、株式会社神戸酒心館は「第2回エコプロアワード」において「財務大臣賞」を受賞いたしました。弊社の「伝統と革新がもたらすサステナブルな酒造り」が評価されたものです。
日本市場において事業者・消費者・投資家等からの評価が高く、具体的に優れた環境配慮が組み込まれた製品・サービス・技術・ソリューション・ビジネスモデルを表彰することで、さらなる開発・普及促進を図り、持続可能な社会づくりに寄与することを目的とした制度が「エコプロアワード」です。
今年度は50件の応募の中から厳正なる審査の結果、21件が選出されました。その中から最も優れた表彰候補5件が、財務大臣賞、農林水産大臣賞、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞に決定しました。

【審査結果発表について: http://www.jemai.or.jp/ris/2st_eco-pro_award_results.html

株式会社神戸酒心館の取り組み概要

財務大臣賞:伝統と革新がもたらすサステナブルな酒造り

社員によるイノベーションが品質の向上をもたらし、地球温暖化防止と生産性向上、水資源の保全と節水、酒粕の再利用、ビン(ボトル)の再資源化、生物多様性への配慮、有害物質・環境影響物質への対応に取り組むなど、省エネルギー・資源有効利用の活動を展開し、環境価値(エネルギーや水の使用量、CO2排出量の削減)と事業価値(売上増加とコストダウンによる事業成長)を両立し、酒蔵の継承と発展につなげました。


環境面について

地球温暖化防止と生産性向上

省エネ・省資源による環境負荷の低減と「福寿」の品質向上の両立を実践しています。「福寿」ブランドの付加価値を上げ、生産を効率化することでサステナブルな酒造りが可能となり、大きな企業成長に繋がりました。酒造りで一番重要なのは温度コントロール、つまりは各工程において加熱と冷却を精度よく行うことが品質の向上と安定には重要です。蒸米工程、蒸米後のコメの冷却、「火入れ」(加熱殺菌)工程などにおける温度コントロールは酒の品質を大きく左右します。またこれらの工程で使用するエネルギーは全使用エネルギーの大部分を占めています。


  1. 生産量の増加トレンド:2010年からの7年間で、品質の向上やブランド力の強化により生産量を約3倍に高めることができました。下記の施策により、生産能力UPを行いながら、環境負荷の低減を推進しました。

  2. エネルギー使用量:温湿度コントロールのための冷凍機、ボイラーを適宜高効率な機器(モジュールチラー(ダイキン)、エコノマイザー付きボイラー(三浦工業)を導入)に更新することで、エネルギー効率を高めることができました。2010年からの7年間では、生産量が3倍に増えたのに対し、逆に12%エネルギー総量を削減することができました。

  3. エネルギー原単位:省エネ法に準じ、「エネルギー原単位対前年−1%削減」の目標を掲げ、生産量やエネルギー管理、また設備の更新計画を立てて、適宜実施しました。その結果2010年からの7年間では、70%削減(年平均10%削減)という驚異的な省エネルギーを達成することが出来ました。これは、熱源設備の省エネ性向上や部分負荷特性の改善による効果に加え、設備稼働率を高めたことも大きく寄与しています。

  4. その他の省エネ:製造工程以外でも照明のLED化やスマートメーターによる電力量の日常管理やデマンド管理などを通じ、社員の省エネ意識を高め成果につなげています。

  5. 以上の結果、CO2排出総量も2010年からの7年間で−12%と、生産量増加に反し大幅な削減を達成しました。従来ベテラン杜氏による熟練の経験や技術によって成り立っていた各工程の温度管理、循環水などの運転状況監視は当社オリジナルの「たらい麹」技法と最新のIoTや制御技術によりその負荷を大きく低減することが可能になりました(運転状況はスマホ経由のモニタリングシステムにより遠隔監視を行っています)。その結果、高品質な製品を安定的に製造できるようになり、通年生産による設備稼働率の向上を実現、結果的に省エネ性の向上や売上増に結び付きました。また、監視の為の残業や夜間作業を無くすことができ、「きつい職場」環境から脱却し、働き甲斐を高めることで従業員の働き方改革に繋がりました。更に、省エネに関するデータ分析、工場省エネノウハウの提供は、環境経営の知見が豊富なコニカミノルタ株式会社と連携。共同で省エネ診断を実施することで環境先進の製造業の視点での情報共有を継続しています。



水資源の保全と節水、酒粕の再利用

  1. 酒造りにおいて重要な宮水については、地域コミュニティの協力のもと土木工事の影響を最小限にとどめるよう、灘五郷酒造組合「水資源委員会」や「宮水保存調査会」に参加して水資源管理を徹底しています。

  2. 節水技術の採用:洗米工程ではジェット式気泡技術を採用した節水型を導入したり、洗瓶工程では水の一部水を再循環させる方式を採用するなどし、節水を進めています。結果2010年からの7年間で、生産量が3倍(300%)に増えたのに対し、水使用量の増加は35%に抑えることができました。

  3. 製造段階で残った酒粕は板粕にして商品化したり、酒粕を使った料理を自社の料理屋で提供するなど廃棄物の削減に努めています。



ビン(ボトル)の再資源化

ボトルデザインは、ブランド価値を高め、商品の購買を左右する重要な因子となります。また、製品の保存性を高めることで品質を担保し、且つ、使用後の廃棄物処理は環境に大きな影響を与えます。弊社は従来より、デザイン性とUVカット性を兼ね備えたブルーコバルトびんを使用していました。但し、「透明びん」「茶色びん」は、それぞれの色のびんに再生できるためガラス原料となりますが、その他の色びんは、埋立処理つまり、「燃やせないゴミ」となります。そこで、透明びんに塗装を施し使用、見た目は従来のブルーコバルトびんと変わらず、UVカット性も付与し、保存性も良好な透明びんに改良しました。年間約45万本を静電塗装し使用しています。これは、リサイクルが可能になったことによる環境貢献だけでなく、容器リサイクル再商品化委託金の低減によるコスト削減にも繋がりました。



生物多様性への配慮

原料米である「山田錦」は地元の兵庫県産であり、宮水や六甲おろしなど当社の酒造りは、地元の自然環境の恵みの上に成り立っています。そのため、これらの環境を保全することは非常に重要で、六甲山の環境保全活動や豊岡市のコウノトリ基金への寄付などを積極的に行っています。



有害物質、環境影響物質への対応

印刷用インクを有機溶剤からエタノール製剤に切り換えたり、食品用ホースを環境ホルモン対応ホースに変更するなど常に安全性への配慮も心掛けています。



自主行動として環境への取組
(例:自主管理環境行動、環境負荷情報の開示等 など)

コニカミノルタ株式会社の専門家による省エネ診断を実施、現場からのヒアリング結果とデータ分析により、弱み強みを把握し、自主行動計画に落とし込んでいます。設備導入の際には環境項目のアセスメントを重視し、最適な高効率設備の導入を行い、エネルギー削減によるCO2削減を継続しています。


経済面について

宝暦元年(1751年)12月、灘五郷の一つ御影郷(みかげごう)で酒造りをはじめました。生産量を追わず、おいしさを極めるために、手造りによる丁寧な酒造りを行っています。当社の酒造りには、270年近い歴史があり、伝統と技が受け継がれています。そこでは、酒造りに携わる人々の存在が大きな役割を果たしてきました。



売上の増加

2006年(平成18年)から通年雇用の「社員による酒造り」に移行し、伝統を大切にしながら、最上を追求し、変化し続けています。2007年より伝統の木製ではなくプラスチック製の「タライ」を使用した「麹造り」を試験的に開始、また緻密で微妙な水分管理、温度管理を徹底するために従来の布から「ゴアテックス(GORE-TEX®)」に変更しました。さらに、より短期間で安全な酵母を育成するために「高温糖化酒母」を採用し、2010年本格的な「タライ麹造り」の技術による酒造りが始まりました。これによって水分を通さず強い麹を造ることが可能になり、「大吟醸」や「純米吟醸」などの高付加価値商品の品質が向上しました。社員によるイノベーションが品質の向上を実現し、「全国新酒鑑評会」「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」など国際的な酒類コンクールで金賞を受賞するなど、2010年から5年間で売上が263%増加し、高いレベルの経済生産性を達成しました。



他への経済的波及効果

「自然と人を見つめるものづくりで、地産地消をベースとした地域振興を目指す」をスローガンに清酒製造業、観光事業、飲食事業の一体化による価値創造を目指しています。酒造りにおいて使用するお米はすべて兵庫県産米。神戸市北区大沢の農家と連携して、高品質な「山田錦」を調達するシステムを構築し(村米制度)、大吟醸などの高付加価値商品で使用しています。神戸市の近郊でとれた野菜、瀬戸内海でとれた魚などを蔵の料亭「さかばやし」で提供するなど地産地消を推進しています。これにより農業所得は向上し、食材の輸送に係る環境負荷の低減にも貢献しています。販売店舗「東明蔵」では、当社が造る日本酒・リキュールとともに、「兵庫県認証食品」など兵庫県産品をはじめ、全国の中小業者がつくる酒の肴や酒器などを販売し相乗効果をあげています。
酒心館というプラットフォームを活用し、地方の文化振興や産品販促につながる持続的な観光業を開発し、年間15万人の観光客が訪れるようになりました。



コストの削減

近年は管理プロセスのデータ化を重点課題として、さらなる高品質な酒造りに取り組んでいます。そのため、人材の育成に重点を置き、ベテラン杜氏から若手社員に技術を継承し、技能向上を図ってきました。これにより、泊り・宿直制度や夜間早朝勤務などを廃止し、年末年始の勤務も2名から1名に低減しました。そして再来年までに週40時間の勤務と完全週休2日制に移行することを目標にするなど、醸造期間中の働き方の改善にも寄与しています。「タライ麹造り」「高温糖化酒母」ほか社員による「品質とイノベーションの両立」が図られた結果、生産量が大きく増加したにも関わらず、ダイキン・モジュールチラー(冷凍機)の導入により前年対比消費電力85%の成果が発揮できました。洗米機もジェット式気泡タイプに変更し、従来の約1/2の節水で洗米が可能となりました。「エネルギー効率の改善」ならびに「水の利用効率の改善」に取り組んだ結果、コストの削減につながりました。


社会面について

宝暦元年(1751年)より現在の地、灘・御影郷において清酒の醸造を開始。平成7年1月の阪神淡路大震災では木造蔵すべてが倒壊しましたが、各方面からの支援により復興し、平成8年5月8日「株式会社神戸酒心館」を設立、清酒製造業、観光事業、飲食事業の一体化による価値創造ならびに地産地消のサプライチェーンの構築を目指しています。



地域循環経済への寄与

醸造棟では、神戸市北区大沢地区産の「山田錦」をはじめ兵庫県で育まれた最良の原料米を六甲山の伏流水である「宮水」で仕込み、地域の環境保全にも貢献しています。さらに「福寿 純米酒 御影郷」の売上の一部を六甲山の環境保全に寄付する活動を続けています。また生物多様性を守ることの大切さを知ってもらうために、兵庫県但馬産「コウノトリ育むお米」を使用した商品の売り上げの一部を「豊岡市コウノトリ基金」に寄付し、コウノトリの野生復帰を支援しています。また蔵の料亭「さかばやし」では、神戸市近郊でとれた旬菜を積極的に使用し、お酒とともに楽しんでいただくなど、食育と顔の見える関係づくりを推進しています。東明蔵(販売店舗)では、日本酒のみならず、兵庫県認証食品なども販売し、地域資源や伝統文化を消費者に伝達しています。
また日本酒の価値やエコへの意識を高めるために「生酒の量り売り」(通い瓶システム)を実施しています。



地域活性化

地域住民との交流を図るため「蔵開き」など様々なイベントを実施しています。イベントではお酒を楽しむだけでなく、「血管年齢測定」「骨密度測定」「血流測定」などの健康測定も行い、地域住民の健康づくりも支えています。健康測定は年2回実施。また「福寿 特別純米 コウノトリ育むお米 コシヒカリ」の売上の一部をピンクリボン活動に寄付し、女性に対する啓発活動も続けています。豊明蔵(酒心館ホール)では、舞楽、文楽、能楽、邦楽、狂言、落語会などを開催するなど地域住民との交流を支援しています。日本の伝統文化の振興に貢献したことが評価され「メセナ大賞」(2000年)を受賞しました。
当社の貯水槽の容量は72,000リットルで、地震などの災害時においても継続的に飲料水を供給することが可能です。1日あたりの摂取量を約1.5リットルとすると1日100人分で480日。頻発する自然災害や来るべき大規模災害への備えを図ります。



  • 公益社団法人 兵庫県緑化推進協会
     「福寿 純米酒 御影郷」売上の一部を寄付(1本売上につき2円を寄付)

  • 兵庫県豊岡市 コウノトリ基金
     「福寿 特別純米 コウノトリ育むお米 コシヒカリ」「福寿 純米原酒 コウノトリ ひやおろし」売上の一部を寄付

  • 認定NPO法人J.POSH 日本乳がんピンクリボン運動
     「福寿 特別純米 コウノトリ育むお米 コシヒカリ」売上の一部を寄付

  • 神戸市立王子動物園
     「福寿 純米酒 ふくろうボトル」売上の一部を寄付 <動物サポーター(ホンドフクロウ)>

  • 京都大学iPS細胞研究所
     「福寿 純米吟醸」売上の一部を寄付 



環境学習

酒心館内にある山田錦の田圃では、近隣の小学生が毎年山田錦の田植えや稲刈りを行います。体験学習を通じて、地域環境と共生する地場産業のあり方や、お米(自然の恵み)の大切さを学ぶ機会を地域社会に提供しています。



地域住民との取り組み

酒造りに重要な役割を持つ「宮水(水資源)」の保全のため、灘五郷酒造組合「水資源委員会」や「宮水保存調査会」に参加して、水資源管理を徹底しています。土木工事等の地下水への影響を最小限にとどめるために地域コニュニティーの協力のもと調査研究を行っています。



従業員に対する取り組み

醸造棟である「福寿蔵」(5階建て)は、マグニチュード8級の地震に耐えうる数少ない免震構造の蔵。阪神淡路大震災の教訓を生かし、いつ起こるかもしれない災害に備え、定期的な避難訓練を行っています。南海トラフ巨大地震に伴う津波から市民等の生命や安全を守るための津波避難対策にも取り組んでいます。


当社のCSRレポート


「Sustainability Journey」

本報告書は、株式会社神戸酒心館が取り組むCSR(企業の社会的責任)活動について、ステークホルダーの皆様に報告することを目的に発行しています。
社会的な重要度が高く、かつ、事業に与える影響が大きいと思われる課題を抽出し、設定した重要課題について、その進捗と具体的な取り組みを報告しています。


社会貢献活動

災害連携協定についてNHKで取りあげていただきました [2020.01.21]
全館禁煙実施のお知らせ [2020.01.11]
神戸の災害連携協定について [2020.01.09]
ウエルネスウォーキング 2020のご案内 [2020.01.05]
酒造りを通した持続性のある仕組みづくり
環境保全と生物多様性への配慮
[2019.12.06]
TOP