CSR

“CSRへの取り組み”

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トップメッセージ

代表取締役社長
安福 武之助

六甲の「土地力」で育まれる酒造り

神戸酒心館のある神戸・灘地域は海岸線に酒蔵が点在する酒どころであり、この土地における酒蔵の発展に大きく貢献したのが兵庫の尾根・六甲山です。

六甲山全体を形成している花崗岩が風化してできた土壌は粘土質で、とりわけ北側の裏六甲は植物の成育に必要な成分を多量に含み、米作地域に独特の影響を与えています。加えて裏六甲は、温暖で日照時間が長い、降水量が少ない、そして昼夜の温度差が大きいと好条件が揃うことから酒米栽培に最適で、酒米の王様「山田錦」の生産量は全国の80% を占めています。

また、六甲山の伏流水である「宮水」は、六甲山に降った雨が花崗岩の地層を通ることで酵母の栄養になるリンやカリウムなどのミネラル分を豊富に含む地下水です。

湧出する地点で3本の地下水脈が合流することで、酸素の働きが酒の風味を損なう鉄分を極めて少なくするという奇跡の現象を引き起こし、酒造りの理想の水としてそのおいしさを支えています。

神戸酒心館では、村米制度*1により育てられた「山田錦」をはじめ、原材料に兵庫県産米を使用するとともに、「宮水」を仕込み水として使用しています。

ワインの味や品質を決める要素に、生産地である原材料のブドウを取り巻くすべての自然環境の特徴を意味する「テロワール」という概念があるように、神戸酒心館の酒造りも、土地力ともいえる「六甲テロワール」によって生み出される恵みの結晶です。

*1 村米制度:品質の良い酒米を求める蔵元と安定した販売先を求める農家との間で結ばれる酒米取引制度

サステナブルな酒造りを目指して

今回、会社案内に私たちのサステナブルな取り組みを盛り込んだレポートを、「Sustainability Journey」として初めて発行する運びとなりました。

タイトルが示すように、私たちはサステナブルな旅を始めることにしました。これまでも環境をはじめとしたさまざまな取り組みを進めてきましたが、そのどれもが明確な行き先を決めかねていたように思います。

社会的な課題がいくつもあるように、私たちも本業を通じて社会へ貢献するサステナブルな道はいくつもあると考えています。そして、目的地を明確にし、課題解決に向けた未来志向の価値創造ストーリーをしっかりと持つことで、これまで以上に効果的な活動につなげることができると思います。

私たちは常に「自然と人を見つめるモノづくり」を念頭に、地産地消をベースとした地域振興を目指しています。ときには蔵元とは思えない新技術を取り入れることがあるかもしれません。先駆的な変革を試みるかもしれません。それは、六甲の恵みの賜物を持続的なものにするための循環の仕組みをつくることが、私たちの哲学だからです。

これからも地元との深い絆を宝に、本業との親和性の高い取り組みを進め、サステナブルな酒造りの模範となれるよう精進してまいります。今後とも一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役副社長
久保田 博信

地域文化における発信拠点への想い

神戸酒心館は3つの事業軸から成り立っています。弊社社長が酒類事業を、私が飲食事業と観光事業において責任ある立場で事業を牽引しています。

「水明蔵(すいめいぐら)」(蔵の料亭「さかばやし」)は木造酒蔵の料亭で、地元の旬菜をはじめ、こだわりの自家製豆富や蕎麦とともに蔵でしか味わえない原酒を提供しています。繊細な日本酒の味の違いを楽しむのに最適な酒の肴は豆富であり、「蕎麦屋でお酒を楽しむ」という江戸時代から続く日本の食文化を体験していただけたらという想いからのこだわりです。

「東明蔵(とうみょうぐら)」(蔵元ショップ)は蔵元ならではの「ここでしか飲めないお酒」や、全国各地より取り寄せた酒肴や珍味、調味料をはじめおいしさにこだわった食品の数々を取り揃え、さまざまなお酒の楽しみ方も提案しています。

「豊明蔵(ほうめいぐら)」(酒心館ホール)は貯蔵庫として使われていた蔵を利用してコンサートや文化講座などを催し、地域の皆さまに芸術、芸能を楽しんでいただいています。

酒造りにおいて、伝統的な製法を継承することは大切な使命です。一方で、より多くの方々にこの地に足を運んでいただき、私たちのこと、福寿のこと、新しい日本酒のあり方や楽しみ方も知っていただきたいという想いから、1997年に各施設の運営を開始しました。

そして、270年近くにわたり酒類事業を営んでこられたのは地元の方々の支援のお陰であることに感謝し、これらの施設で提供される食材などは、酒造り同様、地産地消にこだわり、地域経済が循環する仕組みの中で地域活性化に貢献したいと考えています。

日本酒を通じた地域の活性化

日本酒を通じた地域の活性化にも力を入れています。かつての酒蔵を利用した酒心館ホールを利用して、酒蔵発信の芸術文化を支援しているのもそのひとつです。酒心館ホールは、独特の音響効果が他にはない木造ホールとしての特長を持ち、毎年多くの芸術文化イベントを開催しています。催しは、ジャズ、クラシック、オペラといった多彩なジャンルのコンサートをはじめ、落語、日本酒の講座、展示会、講演会などにも広く利用いただいています。

ご来場いただいたお客さまにも日本酒の良さを知っていただければと、主催するイベントの幕間では「福寿」のお酒を振る舞っています。

地元主催のイベントにも数多く参加することで地域を盛り上げており、他業種のお店が集う「神戸マルシェ」というイベントにも参加しています。“マルシェ” は地元のおいしい料理や食材などが集まる市場を意味します。 さまざまなお店が軒を連ね、そこを行き交う活気と笑顔が溢れる場所を神戸にも作ろうと、地元の店が個性溢れる屋台を出店し、一日に1万人以上の参加者が訪れるほど好評をいただいています。

地元小学生を対象とした環境学習にも取り組んでいます。ある美術館関係者が「幼少期に一度も美術館に行ったことのない子どもは大人になっても足を運ぶ機会が少ない」とお話されているのを聞きました。どの業界も同じだと感じ、日本酒は飲めなくても幼少期から日本酒について身近に感じてもらえる機会を提供したいという想いから、近隣の小学生を対象に神戸酒心館のミニ田んぼで田植えを行っています。

私たちが直面しているさまざまな社会問題に対しては、乳がんの啓発運動の象徴「ピンクリボン運動」に取り組む認定NPO法人J.POSHに「福寿 特別純米 コウノトリ育むお米 コシヒカリ」の売上げの一部を、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授が所長を務める京都大学iPS細胞研究所には「福寿 純米吟醸」の売上げの一部を寄付するなどして、解決の一助となれるよう支援活動を続けています。

私たちは業界の枠組みにとらわれない挑戦を続けています。背景にあるのは、50人規模の企業だからこそできる行動力の速さと風通しの良さ、そして弊社社長のチャレンジ精神です。本業を通じた社会への貢献が神戸酒心館の成長と地域の活性化につながることを信じ、これからも多くの方々と連携、協力し、さまざまな取り組みにチャレンジしていきます。

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