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7月のうまいもん/全国にその名を轟かす逸品 明石ダコ

7月は明石ダコを食べて半夏生の復活を!
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7月1日に半夏生(はんげしょう)なる風習があります。これは二十四節気に含まれない暦日で、夏至から数えて11日目となる7月2日頃がそれに当たります。今年は暦の関係上、7月1日が半夏生になっています。昔はこの日までに田植えを終わらせないと、秋の収穫に影響を及ぼすといわれており、半夏生の日にタコを食べて豊作を祈ったようです。
なぜ半夏生にタコを食べるかというと、田畑の作物がタコ足のようにしっかり根づくことを願って、関西ではタコを食べたり、供えたりするのですが、地域によっては多少異なり、焼き鯖になったり、芋汁になったりするようです。
「半夏生」は関西の風習にも関わらず、知らない人が多いようで、「さかばやし」ではその復活の意味も兼ねて7月中はタコ料理を提供しようと考えました。タコといえば、神戸の隣り町・明石が有名です。全般的に明石の魚はブランド品ともいわれていますが、その中でも明石鯛と明石ダコは別格で、全国にその名が轟いているほど。明石のタコは、短足ダコといわれ、しっかりした食感が特徴です。明石沖にある海底丘陵・鹿ノ瀬には沢山のエサがあり、明石ダコはそこで甲殻類を食べて大きくなるといわれています。
せっかく近場にいい素材があるのだからと、「今月の旨いもん」では、明石ダコを使うことにしました。「さかばやし」では“前もの”と呼ばれる明石の魚をこれまでにも仕入れていたのですが、この度は明石浦漁協ともつながりができ、漁協の人達もこの「半夏生」復活の狼煙(のろし)に協力しましょうと言ってくれたために7月は直接同漁協からタコを仕入れて料理をご提供します。加賀爪料理長も惚れ惚れするような素材の良さに感動し、その特性を用いた料理を考えてくれました。その一つが“酔っぱらいダコ”。タコを日本酒に浸すと、皮部分が酔っぱらった人間のように赤くなります。酒も含んでいるので味が染み、醤油なしで食べることができるくらいになるのです。清酒「福寿」の蔵内の店らしく、まさにここでしか食せないタコ料理がお目見得しました。その他にも煎り酒をジュレにして明石ダコにかけたり、美酒鍋の如く沸いた日本酒の中でしゃぶしゃぶをしたりと、「半夏生」復活を期待すべき一品ができあがりました。
明石ダコは、体の茶色が濃くてツノがあるのが特徴とされ、他地域のものとは味も食感も異なります。6〜8月頃が旬で、俗に“麦わらダコ”と呼ばれるものは、有名料理屋でも引っ張りだこになるのです。明石浦漁港で揚がったものを漁協の人がセリ落とし、直送してくれますので新鮮そのもの。これらの明石ダコは、会席料理の一部や一品料理で提供していますので、ぜひこの機会に召し上がっていただき、皆様で「半夏生」復活の狼煙をあげようではありませんか。
(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)

 

■一品料理

・明石蛸の唐揚げ  800円

・明石蛸の煎り酒ジュレ掛け 850円

・小蛸のやわらか煮  1,000円

・自家製 明石蛸の燻製  1,200円

・明石蛸の湯引き  1,400円

 

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