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11月のうまいもん/秋のキノコ色々

ナメコ(栽培)121113藍那gs

今年は夏が暑く長かったせいか、秋到来を待ち遠しく思いました。この季節は食欲の秋とも実りの秋ともいわれ、何を食しても美味しく感じます。殊にキノコは本来シーズンとされ、松茸の話題が仲間うちでものぼります。キノコといえば、秋を想像しがちですが、実は夏の方が発生種が多く、秋は夏に比べ2/3だといわれています。では、なぜキノコ=秋なのかといえば、秋に美味しいキノコが採れることと、やはり松茸の存在を挙げねばならないでしょう。松茸を好むのは、日本人ぐらいなもので、外国人にはこの味はわからないと思われます。香りがよく、食感がいいために日本ではこの高価な買い物に金銭を惜しまないのです。
昔から「香り松茸、味シメジ」といわれるようにキノコの味を求めるなら本シメジを食べるべき。シメジといえば、一般的なのがブナシメジで、これはスーパーや八百屋でよく見かけるキノコです。一方、本シメジとも大黒シメジとも呼ばれるものは、小さく粉っぽさを有すブナシメジと違って大きくて食感がいいのが特徴。松茸ほど香りはないですが、他の素材と合わしても邪魔しない味で、キノコの王様と称されるほどなのです。
キノコといえば、栽培物が幅をきかせていますが、天然ほど美味しいものはありません。例えばナメコは、天然だとぬめりが違うとされ、大きさもあって個性的です。どうしても栽培したものは、無難な味におさまってしまい、優等生の域を脱しません。ところが天然物は、自然環境にも左右されるためクセが強くなるのです。本来なら個性溢れる天然キノコを採って食すべきなのでしょうが、キノコほど毒性を有して難しいものはなく、その上、あまり量も採れないために昨今は天然物が出回ることなんて少なくなりました。
何を隠そう、「さかばやし」の幸徳伸也店長は、自他とも認めるキノコ博士。共著(兵庫きのこ研究会)として「兵庫のキノコ」(神戸新聞出版センター刊)を上梓しているくらいです。幸徳店長の話では、美味しいキノコをランキング別にすると、1位が本シメジと松茸、舞茸の三つ、2位が椎茸、ナメコ、エノキ茸、シャカシメジ、そして3位が平茸、ハナイグチ、タマゴ茸、4位がヤマドリ茸モドキ、5位ハツ茸、畑シメジとなるそうです。このうち松茸、シャカシメジ、ハナイグチ、タマゴ茸、ヤマドリ茸モドキ、ハツ茸は天然物しかありません。
できれば、この時季に天然物の美味しさを味わってもらおうと、11月10日19:00~の「天然なめこと彩りきのこを秋晴れの酒で楽しむ会」では天然物を調理したり、本シメジ、丹波シメジ(畑シメジ)、ブナシメジの食べ比べをしたりと、色々と趣向を凝らせて献立を作りました。また、11月の会席料理も天然物ではありませんが、色んなキノコを用いながらキノコづくしっぽくしてメニュー組みしています。…というわけで11月の「さかばやし」はキノコがテーマ。秋らしい素材をうまく表現した和食をお楽しみくださいませ。
(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)

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